懸仏 室町時代
この可愛いミニ懸仏は銅板を打ち出しで装飾したもの
直径:約6cm
懸仏
御正体 (みしょうたい) ともいう。円形板に浮彫の仏像を取付け,上方2ヵ所に釣手環をつけて吊下げるのに便利にしたもの。鋳銅の仏像を取付けたものや鏡に仏像を取付けたものなどもある。仏像は如来像,観音像のほかに梵字種子も用いられている。本地垂迹の関係から祭神の本体として神社にかけたことから御正体の名称が起ったと考えられ,神社に奉納する鏡に仏像を浮彫にしたのが古い形式であるといわれている。藤原時代中頃から制作され,鎌倉時代から室町時代初期には盛行をきわめた。
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典