沖縄県名護市宮里前の御嶽はハスノハギリ林の中にある。
かつては海岸線沿いの林の中にあったが現在は名護湾の埋立で海と隔てられてしまい国道58号がすぐその背後を通る。
御嶽は奄美諸島から宮古・八重山にいたる南西諸島に広く分布している聖地の総称。
岡本太郎は “沖縄文化論―忘れられた日本 (中公文庫) “で御嶽について「なんにもないということ、それが逆に厳粛な実体となって私をうちつづけるのだ」また「日本の古代も神の場所はやはりここのように、清潔に、なんにもなかったのではないか。おそらくわれわれの祖先の信仰、その日常を支えていた感動、絶対感はこれと同質だった」と述べている。
ハスノハギリ(Hernandia nymphaeaefolia Kubizki) はハスノハギリ科の常緑高木で、沖永良部島を北限とし、琉球列島、熱帯アジア、東部アフリカ、マダガスカル、ポリネシアに分布する。八重山群島の海岸でもよく発達したハスノハギリ林を見ることができる。