安祥寺上寺は嘉祥元年(848)に仁明天皇女御で文徳天皇の母・藤原順子(809-871)の発願により入唐僧・恵運(798-869)が開山した真言系の山岳密教寺院です。
所在地は現在の京都市山科区安祥寺国有林山腹(標高約350m)に位置しています。
平安期の安祥寺は山上伽藍と山下伽藍から成り、上寺と下寺を合わせて広大な寺領を有していたようです。
安祥寺の最盛期は平安時代前期で、平安末期以降は衰退への道を辿りました。
早い時期に参道が消滅したこともあり、その遺構は比較的良好に保たれており、礎石や基壇等も確認できます。
下記リンクより想像復元図等の詳細を見ることができます。
http://www.hmn.bun.kyoto-u.ac.jp/ouken/anshoji/overview.html
山科から大文字に向かう尾根筋
安祥寺上寺跡平坦地
中央奥上部の崩落で尾根よりの取り付き部分が埋没している。
安祥寺上寺跡平坦地
※ 山科側から遺跡のある平坦部に至る道は消滅しています。尾根筋より平坦地上部に降りことができる箇所も先年の台風で上部に崩落があり土砂と倒木の堆積で下降は容易ではありません。2015年11月6日現在。