読谷山焼北窯・松田米司 Yoneshi Matsuda (1954~) 親方の四寸皿。壺屋以前の涌田窯でも同手の陶器が製作されました。静寂の美。
2013年に京都で開催した「琉球-松田米司作陶展」図録にも少し書きましたが、展覧会の企画にあたり米司親方にお願いしたのは古作写し(習作)でもなく復刻でもない米司親方自身の琉球陶器を作って欲しいということでした。
生活様式の変化、第二次世界大戦の戦乱などで失われたかのように見える、しかし伏流水のごとく地下で脈々と息づいている琉球王朝から続くやちむん屋の仕事を再び地表に呼び戻すことが我々の目標です。アウトラインを準えるだけで志のない写しや復刻にビジョンを見いだすことはできません。
米司親方には沖縄の工藝を未来につなぐ一陶工でいてほしいと切に願います。