柳宗悦と京都 -民藝のルーツを訪ねる-
・杉山享司(日本民藝館学芸部長)
・土田眞紀(美術史家・同志社大学文学部嘱託講師)
・鷺珠江(河井寛次郎記念館学芸員)
・四釜尚人(しかまファインアーツ代表・京都民藝協会理事)
2018年 光村推古書院
大正13(1924)年、関東大震災を機に柳宗悦は京都に居を移します。昭和8(1933)年に再び東京に帰るまでの約9年間を京都で過ごします。濱田庄司の紹介で河井寛次郎の知己を得た柳は3人で弘法さん(東寺)や天神さん(北野天満宮)などの朝市に出かけては「下手物」と呼ばれていた日常雑器や染織品の蒐集に勤しみます。東京に戻る際に柳の京都での蒐集物は貨車4台にもなったといいます。「民藝」の言葉が創られたのも京都時代の出来事でした。本書は「民藝」の揺籃期になった京都時代の柳にスポットした一冊です。4人の著者が様々な角度から柳が京都に遺した足跡を辿ります。